美濃焼ができるまで
今回岐阜訪問では日峰陶苑さん(美濃焼)にお邪魔しました。
普通窯のカメラ撮影は許されないものですが、特別に許可を頂くことができました。
普段器は使っていてもどのように作られているか知らない方が多いと思いますので、ぜひ知って頂けたらと思います。
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成 形
まずは焼き物の形を作る成形作業から見させて頂きました。
回転しているロクロに土を乗せ、遠心力の力で形を整えます。
あっという間に1つ1つが出来上がっていきます。
なおこの土は色や性質が多数あり、それにより焼き上がりの色が変わってきます。 -
素焼き
その後3日間乾燥させ、さらに水分を抜くために素焼きを行います。
素焼き前の状態でも落とすと割れます。
素焼きは800度の熱で2日間行います。 -
下絵付け
焼き物はちょっとした埃があっただけで出来上がり方がダメになってしまう為埃を空気で飛ばしてから下絵付けを行います。
手書きで行われます。
写真はスプレーで下絵をつけたり、針彫りと呼ばれる線を入れているところです。 -
施釉(せゆう)
焼くと陶磁器の表面に色を含んだガラス状の膜を作る釉薬(ゆうやく)にくぐらせます。釉薬は100種類ほどあり、外気温や湿度、天候によって調整されています。
とても繊細であり、同じ釉薬を使っても同じ色にならないこともあります。
本当に焼いてみないと結果が分からないところが器の面白いところだと思います。 -
本焼き
こちらの会社にはトンネル釜とシャトル釜がありました。
トンネル釜は40分毎に動いて22時間かけて焼き上げます。
イメージとしては、レールを走る各駅電車みたいな感じです。1280度前後で調整されて焼かれます。トンネル出口に出てきた器は焼き立てほやほやで火傷するくらい熱いです。
シャトル釜はパン屋みたいなイメージです。パンと違う部分は焼いてからもそのまま蓋を閉めた状態で冷やすところです。焼く時間は22時間とトンネル釜と同じなのに、冷やす時間を含めるので2日間は窯から出てきません。
昔は煙突から煙が出ているのが産地のイメージでしたが、今はガスタンクが窯の場所を示している感じです。 -
仕上げ
がたつきがないか、あれば微調整をしたり、焼き上がりのチェックを行います。
いくら気を使ってもその時の土や天候等で結果が変わるので難しいところです。
新商品ができたとしてもその後再現されず、1点ものになってしまう商品もあるそうです。 -
上絵付け
本焼き後に絵を描く場合は、模様を描いた後色が飛ばないように本焼きより低温度・短時間で焼き上げます。具体的には800度で6時間ほどとのことです。